悪性新生物は、日本人の死因第1位となっています。悪性新生物とはいわゆる「がん」です。
1981年からずっと死因の1位であり、2人に1人は生涯、がんに1度は罹患するとも言われています。
1位 肺がん
2位 胃がん
3位 大腸がん
1位 大腸がん
2位 肺がん
3位 胃がん
消化器疾患である大腸がん、胃がんが男女ともに上位を占めています。早期発見できれば、生存率も高くなります。とはいえ、がんは早期段階では自覚症状がほとんどなく、知らないうちにがんが進行してしまうことがあります。このため、胃がんや大腸がんを早期に発見するには、気になる症状がない場合でも定期的に内視鏡検査を受けることが推奨されています。
麻酔や鎮静剤の適切な使用による苦痛の軽減
胃カメラは苦しいイメージがあるから嫌だとよく言われます。特にスコープを飲み込むときの「オエッ」となる嘔吐反射や苦しみです。のどの麻酔や鎮静剤を適切に使用することで嘔吐反射を軽減し、完全に眠らないうとうととした状態で不安や緊張を和らげます。また、“いつの間に終わったの“と思えるほど、苦痛を軽減するのに有効です。大腸カメラは、洗腸剤を楽に服用できるように配慮しています。また、痛みが最小限になるよう静脈麻酔を使用し不安や緊張を和らげます。
消化器疾患のエキスパート
熟練した技術を持つ医師が操作することで苦痛はさらに低減します。精度の高い検査にこだわり、早期発見・治療につながるよう消化器疾患のエキスパートドクターが診断・治療を行います。また、消化器内視鏡技師が、患者さまが不安なく検査や治療を受けられるようサポートします。さらに、2020年9月より、当院では最新の内視鏡システム(Fujifilm社)を導入しました。従来の機器に比較して、高いレベルでの診断・治療が可能となりました。
衛生管理に配慮
洗浄・消毒室は、医療安全と感染制御に配慮して、バックヤードを設けて独立しています。検査終了後の内視鏡スコープを安全に洗浄・消毒作業を行っておりますので、安心して検査をお受け下さい。当院では高機能水(オゾン水)を用いた洗浄消毒を行っています。これは、人体や環境に対する害もなく、安心・安全な洗浄消毒と言われています。
中津胃腸病院は 胃・大腸内視鏡検査・手術を行っております。
初期の段階で自覚症状がでるのがむずかしい胃がん、大腸がんなど早期発見・早期治療につながるよう内視鏡検査は欠かせません。
数多くの早期がんを発見してきた経験に基づき、質の高い診断と治療をご提供します。
胃内視鏡検査数 | 大腸内視鏡検査数 | 胃ESD | 胃EMR | 大腸EMR |
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2,482件 | 1,169件 | 6件 | 4件 | 50件 |
「上部消化管内視鏡検査」は、「胃内視鏡」、「胃カメラ」とも呼びます。上部消化管内視鏡検査は、ファイバースコープを鼻や口から挿入し、のどを通って食道・胃・十二指腸まで進めながら消化管を観察する検査です。スコープには画像を拡大できる機能がついており、胃や食道で異常が疑われた所をズームアップして観察できるため最も精度の高い検査が可能です。
胃カメラには「経口内視鏡」と「経鼻内視鏡」の2種類がありますが、当院では「経口内視鏡」を主としています。経鼻内視鏡よりも鮮明な画像で確認でき、検査と同時に内視鏡治療が行えます。太いスコープを口から入れるため、どうしてもスコープが喉を通る時の苦痛は強くなりますので、ほとんどの場合鎮静剤を十分に使用して眠ったような状態で施行しておりますので、ご安心ください。
平日に仕事でなかなか検査が出来ない方は、診察し、胃カメラ検査を受けてみませんか。
当日絶食にて来られた場合、検査が可能です。但し、服用中の薬やその日の診察状況により後日になる場合がありますので、事前にお電話くださいませ。
症状がある場合
症状がない場合
定期的な検査
夕食は軽めに。午後9時以降は、飲食禁止。
飲み水はOK。早めに就寝しましょう。
食事、ジュース等の飲み物、たばこ、薬等は禁止。水のみOK。
※薬を服用されている方は、事前に医師に相談しましょう。
義歯・コルセット・時計・眼鏡などは外しましょう。
検査着に着替えてもらうこともあります。
胃の中をきれいにする白い液体の薬を飲みます。
のどに麻酔薬を含んでもらいます。
検査室に移動し、検査台の上に左側を下にして横になります。
眠くなる薬(鎮静剤)を注射する場合もあります。
マウスピースを口にくわえ、内視鏡をマウスピースを通して挿入します。医師はモニターを見ながら観察します。
力を抜いてラクにしましょう。唾液はそのまま外に出してかまいません。検査は5分~15分です。
鎮静剤の影響で眠気、ふらつきがあるため、リカバリー室で30分ほどお休み頂きます。鎮静剤の効き具合には個人差がありますので、1時間以上休んでいただくこともあります。
気分が悪い時はすぐにスタッフに声をかけてください。
胃の内視鏡の画面を見ながら検査の結果を聞きます。
※組織採取・ポリープ切除を行った場合は、後日結果説明します。
飲食、薬は1時間後から可能です。激しい運動は避けましょう。
お風呂はシャワー程度がよいです。
※組織採取・ポリープ切除を行った場合は、刺激のある食事、飲酒などは2~3日避けましょう。
1割負担 | 3割負担 | |
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保険診療の場合 | 約1,500円 | 約5,500円 |
胃の痛みや腹痛などの症状がある方、検査で異常を指摘された方は健康保険が適用となります。料金は概算で初診料と胃カメラ代です。また、これらの費用に加えて、検査時にポリープや腫瘍が見つかった(疑い)場合は、生検料などの追加料金がかかります。
「下部消化管内視鏡検査」は、「大腸カメラ」「大腸内視鏡」とも呼びます。
大腸内視鏡検査は、先端に高性能カメラがついた細いチューブを肛門から挿入し、直腸と大腸を観察する検査です。大腸内視鏡検査は、大腸ポリープ、大腸がんなどの正確な診断が可能であり、また異常な部位から組織検査を行うことやポリープ切除を行うことができます。また、がん以外に、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患やその他の大腸の病気を発見することもできます。大腸がんは大腸ポリープからがんになることが多いため、がん化していない状態でポリープを切除することが理想です。大腸がんの早期発見と予防のためにも40歳を過ぎたら一度はしてほしい検査となります。
大腸の検査はつらいからしたくないイメージがありますが、なるべく洗腸剤を楽に、苦痛が少なく服用できるよう配慮し、熟練した医師が検査を行いますので、安心してお受け下さい。
ポリープ切除後当日や翌日に出血を起こすことがあるため、入院して患者さまの状態を把握させて頂きます。安心して検査を受けてください。
症状がある場合
症状がない場合
定期的な検査
朝・昼・夕食はお渡しした検査食を食べてください。(検査食以外は食べないこと)
午後8時以降は、飲食禁止。飲み水はOK。乳製品などは控えましょう。早めに就寝しましょう。
※前日に下剤を飲みます。 ※入院の準備もしておきましょう。
食事、ジュース等の飲み物、たばこ、薬などは禁止。水のみOK。
※薬を服用されている方は、事前に医師に相談しましょう。
下剤による前処置が必要ですので、指定された時間に病院に行きましょう。
事前検査が済んでいない方は、採血検査などを行います。
前処置では大腸をきれいにする下剤を飲み始めます。
数回に分けて1時間~1時間半かけて合計2リットル程度飲みます。何度かトイレに行くと液体のような水様便になります。
※排便回数、便の性状を確認します。
検査着に着替え、点滴にご案内します。
検査台に横になっておなかをラクにします。
鎮静剤を注射します。場合によっては、腸を和らげる注射をします。
肛門から内視鏡を挿入します。力を抜いてラクにしましょう。
医師は、モニターをみながら腸内を観察します。
検査は数十分で終了します。
ポリープがある方など患者さまごとで多少時間は異なります。
横になって少し休みます。おならはどんどん出してください。
撮影した画面を見ながら検査の結果を聞きます。
車の運転は禁止。(翌日よりOK)
飲食、薬は1時間後から可能です。激しい運動は避けましょう。お風呂はシャワー程度がよいです。便に少量の血が混じる場合があります。
入院のご案内をします。結果説明をします。
入院当日は絶食のため、入院後も点滴を行います。
排便の状態を引き続き確認します。
状態を確認し、主治医の許可で朝食を開始します。
お昼ごろ退院になります。
※ポリープの大きさや、切除後の状態などにより、主治医の判断で入院期間が長くなる場合があります。
ほとんどの大腸ポリープは、大腸内視鏡検査中に切除することができます。内視鏡による治療として形や大きさに応じて、「ポリペクトミー」、「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」、「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」の手技を決めます。広範囲の早期がんをより適確に、完全に一括切除するEMR・ESDは、開腹手術に比べ、患者さまの身体の負担が軽い手技です。
ポリープの根元にスネアという金属の輪をかけて、徐々に絞り、根元を締め付けます。高周波電流を流して切り取ります。小さなポリープの場合は、電流を流さず切除する「コールドポリペクトミー」を行います。
病変と筋層の間の粘膜下層へ生理食塩水などを注入し、病変の粘膜を持ち上げて人工的に隆起をさせて、スネアをかけて切り取ります。
内視鏡の先端から特殊な電気ナイフを出し、直接そのナイフで粘膜を切り、粘膜下層を剥離し切除します。EMRは、短時間ですが、一度に切り取ることができる病変が、スネアの大きさ(約2cm)までと制限があるのに対し、ESDでは専用の処置具を使い、より広範囲に病変を切り取ることができ、病理検査でより正確な診断が可能な治療法です。
治療に伴うリスク
内視鏡を使った遠隔操作で行うためESDは難しい治療です。
胃や腸に穴が開き(穿孔)、胃酸や腸液がおなかの中に漏れ、腹膜炎という重篤な腹部の炎症を起こし緊急手術が必要になることもあります。また、ナイフで切開・剥離をしていれば出血も考えられます。合併症を予防するために、ポリープ切除後およそ1週間は、アルコールや運動は避ける必要があります。
実際には、ポリープの形・大きさを判断し、治療法を選択していきますので、ご不安・ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
保険診療の場合 | 1割負担 | 3割負担 |
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大腸カメラ | 約5,000円 | 約15,000円 |
大腸ポリープ切除 | 約15,000円〜25,000円 | 約40,000円〜50,000円 |
腹痛などの症状や、便潜血反応要請など検査で異常を指摘された方は、健康保険が適応となります。料金は概算で 再診料と大腸カメラ代、また、これらの費用に加えて、検査時にポリープや腫瘍が見つかった(疑い)場合は、生検料などの追加料金がかかります。ポリープ切除の場合は、入院1泊2日の概算金額になります。